平成26年度緊急スクールカウンセラー等派遣事業



1.趣旨
平成26年1月、岩手県教育委員会は、平成25年度の「心とからだの健康観察」の集計結果をもとに「優先的に教育相談をすることが必要だと判断された子どもの割合は12%で、24年度より0.6%しか下がっていなかった」と報告しました。阪神・淡路大震災時も、兵庫県教育委員会の調査報告によると、震災後5年間、心のケア(心の健康について教育的配慮)を必要とする子どもの数が減らず、総数では、1年目より2年目、2年目より3年目と増加しています。主要因として、震災時に幼児だった子どもが小学生になってからも教育的配慮が必要だったこと、年数が経つにつれ複合的にストレス要因が子どもに影響したことが指摘されています。
こうした過去のデータや経験をもとに、当団体では5年間の継続支援を視野に、被災地の子どもおよび学校支援活動を行ってきました。「緊急スクールカウンセラー等派遣事業」の委託事業としては、平成24年は、震災、津波というトラウマ体験によるストレスを受けた子どもたちへの理想的なケアができる教職員向けの映像教材「こころのサポート映像集」を製作し、岩手、宮城、福島3県に配布、続く平成25年度はこの映像を活用した研修会などを実施しました。
活動のために訪問した多くの学校で聞かれたのは、「トラウマ反応」や「喪失反応」は徐々に軽減されているものの、時間の経過が増すごとに、回復や復興のばらつきが顕著になり、地域や一人ひとりの回復状況、さらには学齢などに合わせたよりきめ細やかな「心のケア」が必要になってきているというのが実態です。多くの学校ではSCが常駐していない、SCや保護者との連携がなかなかはかれないなどの理由で、現場の教職員、とりわけ担任自らが、ストレス反応や家庭環境が多様化する子どもたちの「心のケア」を行い、さらに疲弊している状況にあることが分かりました。
今後、ますます複雑化、多様化する子どもたちのストレス反応に、きめ細かな対応を行うためにも、SCと教職員、さらには保護者の連携をよりスムーズに促すためにも、「こころのサポート映像集」を活用した研修の実施は非常に有効と考えます。さらに、対象を保護者にまで広げて研修会を実施することで、今後増えてくることが予想される生活ストレスからくる学校での問題行動の予防にもなると考えられます。
2.事業概要 事業名:「こころのサポート映像集」(平成24年度緊急スクールカウンセラー等派遣事業で製作)を活用したフォローアップ研修会
3.スケジュール ・4月     協議会
・4月〜2月   研修会の実施
・2月下旬〜3月 事業のまとめ、広報活動等
    
    
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